1 この春、また1つ歳をとった。最近は「アラカン」ではなく「アラシク」と言うらしい。だんだん人恋しくなる(&ヒマになる?)世代なのか、学生時代や昔の職場の同窓会の誘いが急速に増えている。 その一環か、昔トロントに赴任していた会社のFacebookグループが立ち上がり、主催者の男性から友達リクエストが来た。 今だから告白するが、あの会社でたった一人、「いいなぁ♡」とひそかに憧れていた相手が、彼だった。 別の部門だったけれど、業務の関係があったため、同じ社内会議に出席したり、社内横断的な物流改革プロジェクトで一緒になったり。私は日本からトレイニーとして派遣されているヒヨっ子で、あちらは2、3ランク上の部長職だったから、対等に話ができるような間柄では、とてもなかったけれど。 それでもあるとき、彼の個室でサシでプロジェクトの下打ち合わせをすることがあった。壁の片面は全面ガラス張りだから何の密室感もないが、なんとなくウキウキである。 話をするうちつい夢中になり、身振り手振りが大きくなった私の耳から、イヤリングがポロリと落ちた。「Oh, excuse me」としゃがみこんでデスクの物陰を探る。ようやく拾い上げて椅子に戻ると、思わずこんな台詞を口走ってしまった。 「こんなところにイヤリングが落ちてるのを誰かが見つけたら、ちょっとマズいよね」 英語で何と言ったのか、EmbarrassingかDangerousだったか、もう憶えていないが、大きなデスクの向こうに座る彼の、耳まで赤くなった顏だけは、鮮明に記憶に刻まれている。 FBリクエストを承認し、メッセージを送る。念のために、〇〇年に〇〇部門にいました、と書き添えたら、速攻で「I remember you well(よく憶えています)」という返事。WELLの文字が、私の頭の中で太字・イタリック・フォント44くらいにデフォルメされる。さらに、「Please visit Canada, I will host you.」 あの頃、真っ赤になっちゃう純情派だったのが、大人(?)になったものだなぁ、とプロファイルを見たら、私より5歳上である。 ということは、当時はまだ30代前半。そりゃあ赤くなるわけだ。手の届かないシニアエグゼクティブだと思っていたけれど。カワイかったなぁ、お互い。 そして今や、彼もアラカン。四捨五入して、お互い立派な同世代。 ちなみに、アラカンとは「嵐寛壽郎」だと思っている人が大多数のようだが、私は「阿羅漢」だと信じている。修行者として到達し得る最高位で、煩悩から解脱して尊敬や施しを受けるに相応しい聖者(Wikipedia)のことである。 イヤリングがどーのホストがこーの、などという輩とは別格なのである。 だからやっぱり、私は「アラシク」よりも「アラカン」という呼び方のほうがいいと思う。 追伸:アラカンでもアラシクでもなく、U60という呼び方もあるらしいが、どうも「Uボート」を思い浮かべてしまう私は、やっぱり立派なアラカンだろうか。 ▲
by miltlumi
| 2018-06-12 15:58
| 私は私・徒然なるまま
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