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禍福はあざなえる縄のごとし?

駅の改札、「IC」の丸印にピッとかざしてから丸の向こうの残高表示を見たら、10000。ビンゴな気分になった。

電車に乗ったら、運良くはじっこの席が空いていた。ラッキーと座ったら、前に座っていた人の体温が思いっ切り残ってた。ハズレだ。

オフィスで、1杯ごとのドリップコーヒーパックに半分までお湯を注いだところで、水サーバーのタンクが空になった。しばし途方に暮れた後、給湯室内に行ったら、「節電のためX月X日まで給湯を中止します」という貼り紙がしてあった。でも蛇口をひねってみたら、熱湯が出た。

熱々のアスファルトの上を歩いて、銀行のATMコーナーに入った。何度か暗証番号を間違えてしまった。予想外に長居したので、とてもたくさん涼めた。

クレジットカードは3千円以上のドラッグストア。目当ての商品以外もあれこれまとめ買いしたのに、レジの金額が2943円。あちゃ、と思ったら、横に「カード払いは2千円から」と書いてあった。

さてさて今日は、何勝何敗だったか。
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by miltlumi | 2012-08-28 18:38 | 機嫌よく一人暮らし | Comments(0)

いがいがことば

 平日のランチタイム。混雑を避けて早めに出掛けて、緑の並木に張り出したオープンエアのテラスに席を陣取る。珍しく朝方に降ったにわか雨のおかげで風が涼しい。
 4人連れの家族が、屋内の店内を通らずに直接テラス席にやってくる。遅めの夏休みなのだろう、サラリーマンっぽいお父さんは七分丈パンツを穿いている。いいなあ、と思ったのも束の間、後ろのテーブルに腰を下ろした彼ら(正確には、お父さんとお母さん)は、何やらとげとげしい。
  「ほらっ、結構涼しいじゃない」(語尾に相手を見下げたような高飛車なトーン)
  「涼しいわけ、ねえだろうっ」(脚本なら「巻き舌で毒々しく」という注釈がつく)
 夏場の夫婦の体感温度戦争は、いつだって熾烈を極める。大体が、女性は寒がりで男性は暑がりなのだ。夜の寝室は愛を育む場所とは程遠く、「暑苦しいからそばに寄らないでよ!」「オマエこそこっち来るなよ!」という会話、というより言い争いから始まり、しばらくするとエアコンの温度設定を上げる・下げる、切る・切らないで、実力行使のリモコンの奪い合いに発展する。
 最後は「もういい。オレはリビングで寝る」と枕を抱えたダンナがドアの外に消えていく。夜中、扇風機のタイマーが切れて、さすがにふと目を覚ました奥さんが、トイレに行こうとリビングを通り抜けると、冷蔵庫のように冷えた部屋のソファで敵が丸くなっている。

 それでも、別行動ができるうちはいい。一緒に外出、となると、空間を分けるわけにもいかない。クルマのエアコンを巡って夜と同じ諍いが繰り返され、ようやく目的地に着いたら着いたで、上述のいがみあい。節電の夏どこへやらキンキンに冷えた屋内テーブルと、吹く風が気持ちいいはずの、でもへたすると熱風に煽られる屋外テラスとどちらにするか。子供二人引き離し、まさか2対2で別々のテーブルにつくわけにもいかない。
  「…だって言ってるでしょうっ」
  「…なんだよっ、まったくもう」
 気温論争に引き続き、別の話題に移ったらしいものの、依然としてハリネズミのような言葉の応酬が繰り広げられる。その間、小学生らしきお兄ちゃんと妹は、存在を消している。

 私は彼らに言いたくなる。暑いのは、ダンナのせいでも奥さんのせいでもありません。せめてイガイガした言葉遣いは止めましょうよ。自分が口にする言葉も耳にする言葉も、発せられた途端に脳みそにはね返って、気分を捻じ曲げます。お互いの言葉がお互いの脳みそを、そして子供達の心をとげとげにしてしまいます。
 太陽ちょっと頑張り過ぎだよね。そろそろへたってくれてもいいのにね。熱風吹いたら、タダでサウナ入ってると思おう。
 
  「すみません、これにかけるチーズください」
  「粉チーズ、ですか?」
  「他に、何があるっていうんですかっっ」
 ついにイガイガ言葉は、店のウェイターの脳みそも攻撃し始めた。心の耳に栓をして、私は読書に集中し始めた。
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by miltlumi | 2012-08-26 18:11 | 機嫌よく一人暮らし | Comments(0)

しあわせな日々

a0165235_15214910.jpgまだほんの小さかった頃
母に連れられて行った 近所の小さな市場
揚げたてのコロッケは
ソースはなくても さくさく美味しかった

まだほんの小さかった頃
父に連れられて行った 駅前のレコード屋
オバQのソノシートは
赤くて薄くて 空が透けて見えてた

しあわせな日々 あのころはいつも

ついほんのこの間のこと
二人でちゃりこいで行った 近所の円形プール
滑り台に並んで
水飛沫あげて 背中ちょっと擦りむいた

ついほんのこの間のこと
二人でちゃりこいで行った 楠のある公園
木漏れ日のハンモック
ゆらゆらと揺れて 空は高く青かった

しあわせな日々 これからもきっと

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by miltlumi | 2012-08-24 15:23 | フォトアルバム | Comments(2)

大阪の人

 東急目黒線直通東京メトロ南北線の車内で、男性が寝ていた。電車の中で寝るのは全然珍しくない。が、その人は3人掛けの優先席を全て占領して、横になって眠っていたのである。ナイロン製とおぼしき黒いボストンバッグを枕にして、さらにその上に枕カバー代わりの水色のタオルまで敷いて。頭側の床には、茶色いスニーカーがきちんと揃えて置いてある。これはもう確信犯としか言い様がない。
 お盆休み期間中の平日の午前中、電車はガラ空きだし、お年寄りや身体の不自由な方、妊娠中や子連れの方もいらっしゃらないし、足を前に投げ出して座っているわけでもないから、人様に迷惑をかけているわけではない。しかし一方で、この場所は長旅疲れが出ても仕方ないような東北本線でもないし、この時間は泥酔御免の忘年会シーズンの終電時でもない。まさか、昨日の夜は東急の車庫で一夜を明かし、今朝も始発から浦和美園と日吉の間を行ったり来たりしていたわけではないだろうな。いずれにしろ、ちょっと稀有な光景である。

 心の中で思ったことが顔に出やすいタイプの私は、思わずげげっという表情を浮かべてしまった。でも、朝っぱらからこんなん見たら誰だってびっくりするだろうと、数少ない乗客を見回したが、既に皆ひとしきり驚いてしまったあとなのか、ケータイに目を落としたり、窓の外の街並みを眺めたり、誰一人として中年おじさんを凝視する者はいない。
 それじゃあ新しく乗ってきた人ならば、と次の駅に到着するのをわくわくしながら待つ。電車がスピードを落とす。ホームに滑り込む。ドアが開く。ばらばらと人が乗ってくる。今や優先席のおっさんは、横向きからごろんと仰向けに転がり、くの字に揃えていた両膝はおおっぴらに開いてダイヤ型になっている。
 ほら、ねえ、信じられないと思いません?なのに、新たな乗客は、空いた車内でどこに座ろうかときょろきょろすることもなく、ましてや優先座席の方向にわざわざ目をやることもなく、速やかに所定の位置につく。オッとのけぞって、口元を緩める人など一人もいない。
 なんだ、つまらん。一人ひそかに盛り上がっていた自分がばかに思えてきて、仕方なく文庫本を広げ直す。それでもやっぱり気になって、ちらりちらりと横目で見ていたら、多摩川を過ぎたあたりで突如むっくりと起き上った。それからしばらく人並みに座席に腰かけた姿でうつらうつらしていたが、武蔵小杉の駅でさっと鞄を手に取ってすたすたと降りて行った。

 そのあとで会った友達にこの話をすると、横浜の山の手育ちの元お嬢様は、「いやあ、そんなぁ。そういう人っているのね」と期待通りに驚いてくれた。一方大阪生まれの男性は、「そんなん、大阪では普通や。昼でも夜でも、席が空いてたら横になるやろ」と、いきなり関西弁に切り替わった。
 大阪に帰るなら、目黒から山手線に乗り換えて品川から新幹線に乗ったほうが早いと思うけれど、武蔵小杉まで睡眠時間を延長したかったのだろうか。
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by miltlumi | 2012-08-18 20:19 | 私は私・徒然なるまま | Comments(0)

ハンカチのアイロンがけ

 部屋の中でじっとしているだけで汗が吹き出すこの季節、ハンカチは、ケータイ・財布とともに外出時の必携品である。帰ってきたら洗濯機に直行してしまうから、新しいのを翌日鞄に入れ忘れて、駅に着いたところで「しまった」ということがたまにある。
 その日の予定を思い浮かべて、さすがにハンカチなしで乗り切れそうにない場合は、コンビニやドラッグストアに急いで立ち寄ることになる。最低限の、あるいは選り取りみどりの商品が陳列する棚の前で、しかし私は、はたと立ち止まってしまう。
 タオルハンカチ、というものを自分で購入することに、なんとなく抵抗を感じるのだ。もちろん愛用している。汗はもちろん、手首までしっかり洗った後の水滴も余すところなく吸い取ってくれる便利物である。昔とちがって、かさばらない薄手も登場している。それでも、使っているのは戴き物ばかり。自分で買うなら古式ゆかしい綿布のハンカチ、と反射的に思ってしまう私は、時代遅れもいいとこなのだが。

 小学校に行く時、「ハンカチ・ちり紙持った?」と親から言われて確かめた、サンリオキャラのハンカチの刷り込みが、おそらくある。
 さらには、高校から大学にかけての「ハンカチとソーイングセット」信仰の名残り。学食でお目当ての男子が何かこぼしたとき、あるいは「ボタンとれちゃったんだけど、誰かつけてくれない?」と言われたとき、ささっと登場する、これら2つの神器。
 そのとき手にするのは、もはやキティちゃんはご法度で、アイロンのきいたパステル花柄でなくてはならない。…などと恋愛本の通りにしたところで、コトは進むはずはない。ソーイングセットに至っては、手先が器用なおかげで男子どころか女子のためにもせっせと針を運ぶことになった。「女の子らしい」グッズを持っていればどうにかなる、わけはない、ことが、今ならわかる。

 それでも、会社勤めを辞めるまで、ソーイングセットはずっとデスクに忍ばせていたし、ハンカチはいまだに3分の2が綿である。お裁縫と同様、単に布ハンカチが好きなのだ。「今日は綿ハンカチ」と思うと、実用一辺倒ではない、ちょっと優雅な気分になれる。お気に入りの布ハンカチは、ちょっとしたイベントがある日だけ出番となる。
 アイロンがけが必要、という最大のデメリットでさえ、嫌いではない。毎回やるほどの根性はなく、何枚かたまったらまとめてかける。これは○○さんの快気祝いでいただいた、これは品川のエキュートで散々迷って買った、そういえばこれと色違いのはどこで失くしたんだろう。一つ一つ思い出しながら、あるいはハンカチと無関係なことを考えながら、つるつるとアイロンをかける。全部が終わってから、順にたたんでいく。外国製とちがって、日本のハンカチはどんなに使い込んでも正方形が崩れることはない。その端正さに驚嘆しながら、四隅を合わせて折っていく。
 仕上がった布ハンカチは、まだほのかに温かい。
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by miltlumi | 2012-08-16 19:52 | 私は私・徒然なるまま | Comments(0)

真夜中の#7119

 一人暮らしの不自由を感じるのは、大工仕事が発生した時だ。床から天井まである、洗濯機置き場の扉の蝶番が外れてしまった。直すには、するするスライドする扉を右足の腿で押さえ、右手で蝶番を固定させ、左手でドライバーを回しすという、身体各所てんでんバラバラな行動が強制される。運動音痴の私には至難の技である。誰かいてくれたら、このうち1つや2つの作業を分担してくれるのに。

 ただでさえ暑い熱帯夜、汗だくになって作業に従事する。足場から落ちないよう、左足をしっかと洗濯機の角にかけた瞬間。ぴしっと音がしたかと思うほど激しい痛みが足の裏に走った。
 な、何!?と思って見ると、普段お目にかかったこともない、採血で二の腕にゴムを巻かれた時に肘の内側に浮き出るような太い血管が、足の裏にぼっこり生まれている。痛くて床に足がつけられない。え~ん。泣いても慰めてくれる人はいないし、扉は外れたまま。仕方なく作業を続ける。
 どうにか扉を元に戻し、改めて足の裏を眺める。血管は雨後のみみずのようにますます太い。もしかして、血栓によるエコノミー症候群? 救急車呼んだ方がいいかしら。このまま放置したら、足の裏の血栓がずるずると心臓まで動いて、死んじゃうかもしれない。

 でも今日は死ねない。洗濯物がたまっているし、日記の処分もしてない。生死の瀬戸際(?)でこういう心配をするのも小市民的だが、いざというときは皆こんなもの。
 一人暮らしの友人は、夜中に激しい眩暈に襲われて救急車を呼ぼうとしたが、自分が運び出された後に誰が家の鍵をかけてくれるのか不安になり、結局自力でタクシーを拾って救急病院に行ったという。
 別の友人の知り合いは、軽い脳梗塞を起こして救急車を待つ間、治療中「ミットモナイことになるとイケナイ」とトイレで用を足しておこうとして、そこでホントにプッツンしてしまい、便座の上で動けなくなっているところを救助されたそうだ。

 話は逸れたが、ともかく不穏な場合は的外れな妄想が膨張するもの。でもそこで、ハタと名案を思いついた。救急車を呼ぼうかどうか迷った時の相談電話。#7119。これこれ。
 出てきた優しそうな声のおじさんに「お歳は?」と聞かれ、なんとなく赤面しながら正直に答える(サバを読んだら、後で保険証を出した時にバツの悪い思いをする)。あれこれ説明するうち、相手が「んなもん、タダの打ち身やないけ」と思っている雰囲気が漂ってくる。でも職業柄万が一に備える看護師は「他に症状はないですか?」と親切に訊いてくる。そう言われるとふくらはぎが痺れているみたい(昼間歩き過ぎただけかも)。う~ん、とうなり、「痺れがあるとすれば、少し気になるので念のため」と、救急受付の整形外科2軒を紹介してくれる。

 丁寧にお礼を言って電話を切ったら、すっかり落ち着いた。紹介された医院の場所をネットで調べ、へえ、こんなところに整形外科があるんだ、と確認して、ひと安心。
 夜中にタクシーを呼ぶこともなく、やがて足の裏のみみずは平たい紫色の痣になり、順調に薄れて行った。遠くの親戚より近くの#7119。心強い味方であった。

追記:
このブログを読んだ友人が教えてくれたのだが、#7119は全国的に利用できるシステムでないそうです。
現在、東京・大阪・奈良など限られた地域のみで行われているようです。コストがかかるし、利用率もまちまちだろうから、自治体によっては自前で体制を整えるのは大変だと思いますが、うまく横連携するなどして、より効果的・効率的な運営ができるといいですね。
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by miltlumi | 2012-08-14 08:11 | 機嫌よく一人暮らし | Comments(3)

みちのく一人旅・十和田湖&奥入瀬リベンジ

バッテリー事件に泣いた翌日、再び十和田湖へ。
今度はバスで一気に十和田湖畔まで出て、レンタサイクルで散策する作戦。
徒歩で30分近くかかった銚子大滝は、ちゃりで下れば10分弱。さあ、カメラの威力、いかがでしょう。
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そして十和田湖の水は、息をのむような美しさ。
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そのあと蔦温泉に足を伸ばし、一浴びする前に周りを散策していたら、
蔦沼に着く前にざああっと降り出した夕立。旅館のお兄さんが持たせてくれた傘が役に立った。
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by miltlumi | 2012-08-11 21:04 | フォトアルバム | Comments(0)

みちのく一人旅・奥入瀬渓流から十和田湖へ

奥入瀬は、大学1年の秋以来。うん十年ぶり。
八戸から出発したJRバスの中、青々とした田んぼと遠い山、その上に広がる入道雲
とりあえずの前座を撮ろうと、カメラのスイッチを入れたら・・・ 「バッテリーがありません」
ぐわ~ん、大ショック。フル充電していたつもりの予備なのに、
チャージャーに付けっぱなしだったせいで放電してしまっていたらしい。
昨日使っていたバッテリーもほとんど残っていない。
バス内を見回すが、N700系の新幹線とちがって、コンセントなどどこにも見あたらない。
というわけで今日は1日、愛用のパナソニックをリュックサックの底にしまって、
解像度の悪い携帯カメラのみ(ちなみにこちらもパナソニック)。

幸か不幸か、10:40に焼山を出発してから、ずっと曇り。
ごくときどき雲間からお日様が差して、束の間の木漏れ日が奥入瀬の水面を照らす。
でも瞬間で翳る。ふん。これじゃあシャッターチャンスなんて、皆無だもんね。
つまり、また別の時に出直していらっしゃい、ということだわ、と開き直って、
両手をぶらぶらさせながら森林浴に集中する。

十和田湖が近づくにつれ、太陽が射してきた。銚子大滝は、圧巻。
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奥入瀬渓流への水量を調節しているダムのすぐ上流は、
それまでの急流がうそのように静かな水面。
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ようやくだ、と逸る気持ちで最後の道のりを超えると、
ぴーかんに晴れた十和田湖がきらめいていた。
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by miltlumi | 2012-08-09 16:54 | フォトアルバム | Comments(0)

みちのく一人旅・恐山

a0165235_1642267.jpgお盆直前の今週、
仕事がキャンセルになったのをいいことに、
突然、青森旅行を思い立った。
東京駅から新幹線と在来線を乗り継いで
運転手さんと二人きりのバスが
霧につつまれた山中を登って、降りて、
夕方、ようやくたどりついた恐山は、
おどろおどろしく低い雲がたちこめていた。

a0165235_16484475.jpg一人きりだったらどうしよう・・・と
おそるおそる入って行った宿坊。
愛想のよい部屋係のおばさんの、
「今日は14人。少ないくらいですよ」と
言う言葉に、ほっと胸をなでおろす。
6時半、270人収容の大食堂(だいじきどう)。
当然ながら、100%精進料理。美味しい。
10時消灯と言われつつ、9時半に布団に入る。

a0165235_16535788.jpg今朝は、昨日とはうって変わって青空。
6時半から地蔵堂と本堂でお勤め。
曹洞宗だけど、厳しい座禅もなく、
心願成就を心の中で唱えて下さい、
と穏やかな和尚さんがお説法。
願い事があって来たわけではないけれど。
7時半の朝食を終えたあと、
ゆっくり白濁の温泉風呂につかる至福。

a0165235_1721177.jpg極楽浜は、本当に極楽のように白く、
宇曽利山湖が、向こう岸の山々の緑を映して
碧く、静まり返っている。
今年になって浜に建てられた「希望の鐘」
お地蔵様の祠の裏に大小の手形が象られ、
自分と同じ大きさがあれば、
極楽に行けるそうな。
わざわざ死んでから行かなくても、
極楽は、今、ここにあるのに。
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by miltlumi | 2012-08-08 17:10 | フォトアルバム | Comments(0)

キンチョールもしくはアースジェット

 寝苦しい熱帯夜、不快指数を瞬間的に押し上げるのは、寝返りをうつ耳元で徐々に大きくなる「ぶぅぅううう~~んんっ」という蚊の羽音。暗闇でやみくもに手をたたいても、蚊を仕留められる確率は0.0037%。何度か空しい努力をしたあと、たまらなくなって枕元の明かりをつけ、浮かび上がった宙に目を凝らす。たまさか白い壁にのほほんととまっているところを見つけ、渾身の素早さで手を振り下ろして撃ち落とした時の快感(は滅多に味わえない)。
 「あれ、やだよね~」と話していた相手が「だからキンチョールは必需品だね」と言うのを聞いたとき、私のまぶたの裏に、久方ぶりに由美かおるの脚線美(若人のためにあえて説明すると、昭和うん十年代、片足を折り曲げてすらりと座る彼女が大写しになった看板が、田んぼの中の納屋の板塀などに恭しく掲げられていたのだ)が甦った。

 日本の夏。金鳥の夏。キンチョール。忘れていた。おそらく、マンションに引っ越したのが冬だったせいで、殺虫剤を常備するという発想がないまま、今日にいたってしまったのだ。
そう言えば、トロント赴任にまで持参した「はえたたき」も、うちにはもはや存在しない。先日、このうちで初めてゴキブリに遭遇したとき、仕方なく新聞紙を丸めて3回目で仕留めて一人どや顔を浮かべたが、キンチョールさえあれば、あれほど苦労する必要もなかったか。

 一人で暮らしていると、知らず知らずに自分の思い込みに囚われて、それ以外の選択肢を検討することさえまれになる。長すぎるLANケーブルをテーブルの上にも下にもずるずる這わせている私に、「ワイヤレスのルーター、最近は安いよ」と教えてくれたのも友人である。
 底にひびの入ったバケツをそのまま長い間使っていて、ある日突然「買い替える」という発想が頭に浮かび、往復5分で近所の100円ショップから調達したときは、それまでどうしてそう思わなかったのだろう、と思考回路の柔軟性のなさが情けなかった。
 
 本人は、十分効率よく生活していると思っていても、どこかで発想の固定化が起こっている。常識的に暮らしているつもりで、どこか世間の常識から離れていっているかもしれない(キンチョールを常備する家庭が、もはや日本国内で平均的なのかどうかわからないが)。
 一人暮らしのメリットはある。自分が使いやすい場所に置いてあるはずのハサミが、知らないうちに別の場所に移動してしまい、家人に向かって「もうっ、使ったら元に戻してって言ってるでしょっ」と叫ばないといけないストレスとは無縁とか。でも、もっと使いやすい場所を発見する、という可能性からは遮断されている。

 というわけで、目からウロコを落とした私は、昨日ケーヨーデイツーで一般家庭の常備品を買い揃えた。でもキンチョールの半分近い値札に惹かれて、ついアースジェットのほうを買ってしまった。
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by miltlumi | 2012-08-05 11:28 | 機嫌よく一人暮らし | Comments(2)