(上)はこちら・・・
すぐ近くに見えるわりには、つづれ折りの道は意外に遠い。次に上から来た男性が、「けっこう大変ですよ」と不吉なことを言う。 「片足一本しか入らない岩の間で、抜くのも大変。そこを鎖を伝っていくんですよ」 片足一本? どういうこっちゃ。ちょっと不吉な予感がする。でも、ここまで来たらとにかく行くしかない。 そして出てきた「かにの横這い」。左手の第二石門からつながるつるりとした岩肌に、先ほどの「こてしらべ」と同じ鎖が、今度は横に張られている。足場は…。最近はやりのボルダリングみたいなわずかな岩の突起。げげっ。 右手には、グランドキャニオンを思わせるぶっとい円柱形の岩がどどんとそびえたち、手前はオレンジ色に黄葉した木々、はるかかなたに青く霞む山並み。きれいな景色だな~。と、見惚れてはいけない。何しろ足元は、まさにボルダリング状態。そのまますとーんと崖なのだ。きゃしゃな落葉樹の枝なんて、何の支えにもなりそうにない。しかも根元は落ち葉フカフカの土ではなく、がちがちの岩。するりと足を滑らせたら最後じゃ。げげげっっ。 これまで歩くうちに暑くなり、脱いで腰に巻いていたジャケットを固く結び直して、いざ、と鎖にしがみつく。幸い、足場は太陽に照らされて乾いているから、ゆっくり次の一歩を見定めながら進めばどうにかなるが、これ、雨上がりで濡れてたら、ヤバいね。 どうにかクリアした「かにの横這い」の後、今度は縦に10mほどの「たてばり」。まじ、片足一本しか入らない岩の亀裂。その亀裂も割けよとばかりに、直径2㎝くらいの鉄の杭がところどころに穿たれ、杭と杭の間に、例のぶっとい鎖がたらーん、たらーんとたれている。アスレチックとかそういう、生ぬるいもんぢゃないぢゃん…。 先に登って行く連れは、亀裂に片足突っ込んでは、抜くのに苦労している模様。お気に入りのキャンバス地のスニーカー、確実に擦り切れてるね。 亀裂の両脇に接近する岩がごつごつしているのを見た私は、亀裂ではなく岩に足をかけたほうがラクそうだと咄嗟に判断。忍者の壁上りである。がしっと鎖をつかみ、首にぶら下げたカメラが岩にあたらないよう注意しながら一歩一歩、ずごっずごっと登って行く。昔から、女だてらに36kgだった握力の有難味を痛感する。やわな握力が力尽きて「いやん」なんて手を緩めたら、一巻の終わりです。 ・・・(下)につづく
by miltlumi
| 2013-11-17 08:46
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