バリ旅行記-Bali Coffeeは黒土の味

 元来保守的な性格なので、異国の地でも朝食だけはいつもと同じもの、つまりパンとコーヒーを摂らないと落ち着かない。かくしてNYでシリアルを食べることも、上海でお粥を食べることも、クアラルンプールでヌードルを食べることもなかった。

a0165235_1151325.jpg ウブドのホテルの朝食メニューに、コンチネンタル・アメリカンからクロワッサンサンド、イングリッシュマフィンにエッグベネディクトのみならず、インドネシアン(お粥・ナシゴレン・ミーゴレンの3択)に和食まで見つけたときは、んー、さすが年間100万人の観光客が訪れる世界的名所、とうなってしまった。
 もちろん迷わずアメリカンを注文する。卵料理は当然オムレツ。その焼き具合でシェフの腕がわかるというもの。完璧なアーモンド形で、中はふんわりとろーりかなあ。                  <朝食のテーブルに、朝露が光るスプラウト>

 とりあえずサーブされたコーヒーの横にミルクがない。ウェイトレスに頼むと、「低脂肪乳」みたいな曖昧な白色の液体がNarumiのミルクピッチャーで運ばれてくる。ふうん。ヒンドゥー教は牛食べないもんね。牛乳も飲まないのかしら。
 そもそもコーヒー自体がカップになみなみと注がれていて、ミルクの入る余地がない。それでも強引に流し入れ、一口飲んでびっくり。まずい。濃いわけではないのに、苦いというか、眼前に広がる棚田で鋤き返されている黒土みたい。うむむ。

 その後出てきたパンは、食パン・全粒粉パンにミニマフィンとレーズンペイストリーという、完璧なコンビネーション。さらにオムレツは、ハムとピーマンとマッシュルームのみじん切り入りの見事な出来栄えだったから、それらとの対比という点でも、コーヒーは「?」マーク。それでも1杯目を飲み干すと、カップの下のほうに、本当に黒土みたいなコーヒーの粉が沈んでいる。むむむ。

 翌朝。それでもしつこくコーヒーとアメリカンブレックファーストを注文する。スクランブルエッグを頼んだら、例の薄白いミルクを入れたせいか、ぼやぼやとした味だった。そしてコーヒー。やっぱりミルクは頼まないと出てこないので、とりあえずブラックで飲んでみる。
 あれ、わりと美味しいかも。苦みも慣れればどうってことはなく。コクがありすぎてしつこいより、あっさりしていてさらりと飲める。

 3日目。もうミルクがないことにも驚かず、淡々と「Milk, please.」と微笑む。美味しい。味覚というものは恐ろしい。3日で慣れる。
 ウブドの町で最後のショッピング。スーパーマーケットでBali Coffeeを見つけ、迷わずかごに放り込んだ。帰りがけのタクシーでガイドについ「ジャワコーヒー」と言ったら、きっぱりと「バリコーヒーはジャワコーヒーとは違います」と言われた。

 帰国した翌朝、Bali Coffeeを淹れてみた。きめの細かい、やっぱり黒土みたいな粉末。外は1℃近くまで下がった真冬の東京に、Baliのオープンテラスの風が流れたような気がした。
    
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by miltlumi | 2011-02-01 11:55 | Vacation in Bali | Comments(0)
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