秋の海

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私が通った平屋建ての町立中学校は、うちの隣にあった。
家庭科の調理実習で、持参し忘れたじゃがいもをとりに、上履きのまま家に戻れるくらい近かった。
私の部屋の窓から、その埃っぽい校庭と、ひなびた街並みごしに海を遠く見遥かすことができた。

最寄りの駅から電車で1時間以上かかる高校に入ったとき、少し大人になった気がした。
朝早い電車の中、伊豆から首都圏へ新鮮な魚を売りに行く行商のおばさんたちと顔見知りになり、
毎朝、「ほら、この席空いたわよ」と声をかけてもらっていた。

窓の外には、いつも大きな大きな相模湾がきらめいていた。

週末、久しぶりの相模湾は、季節外れの黄砂のせいか、春霞のように白んでいた。
この田舎にもようやく進出してきたペンションのレストラン。
外に広がる海を撮ろうと窓辺に近づいたら、思いっきり窓ガラスにおでこをぶつけてしまった。
あの頃の私の年齢を越えてしまった甥っ子が、背中ごしに大笑いしている。
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by miltlumi | 2010-11-13 21:59 | フォトアルバム | Comments(0)
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