「無友不如己者」
論語の一節。「己に如かざる者を友とするなかれ」と読む。友を選ぶときは自分より優れた人物を選べ、というのが通常の解釈だが、それだと需給関係上、世の人間は誰一人として友達がいなくなってしまう。ゆえに、というわけでもなかろうが、渋沢栄一は「友なるものは、その徳を友とするなり(友を選ぶときは、何か徳がある人を選ぶ)」という注釈を加えたそうだ。誰にでも何かしらひとつくらいは「徳」があるから、これなら誰とでも友達になれる。 これを聞いた友人(男性、年下、でも既婚)は、「僕にとっては、花の名前を知ってる人とか、料理ができる人はそれだけで尊敬できます」と言った。やった”V” これまでの人生の過半は庭のある一軒家に住んでいたから花はたくさん植えたし、冷蔵庫にある素材で3種類の料理をひねり出すのはわりと得意技。それで尊敬していただけるなんて、光栄♪ 昨日のエントリーに「自分を愛してくれることはもちろん、経験豊かで尊敬できて、学べる面をたくさん持っていて、ついでにおいしいレストランや隠れ家温泉を知っている男性」と書いたが、実際のところ、ジョーカーみたいなオールマイティーを待ち焦がれるほど私もウブではない。 しばらく前から、女友達との間で「TPO」がキーワードとなっている。一人の男性に全てを求めるからmission impossibleになってしまうわけで、逆にこちらだって「可愛くて優しくて思いやりがあって自立していてしっかりしてるけど男を立てることをわきまえていて…」とか並べたてられても、対応不可能。 お互い、用途(?)に合わせて使い分けるのがWin-winの秘訣であろう。映画を見る、おいしいものを食べる、人生について語り合う、仕事の相談をする、旅行に行く、…その分野で気の合う人と、その都度行動を共にする。 そうすれば、マーケットは無限大に広がる。 あまりハッピーな結婚生活を送っていない男性が、 「100点満点っていうのは、難しいよな」と言った。思わず、 「何を以て100点満点とするか、じゃないですか?」と返したら、尊敬の眼差しで見つめられた。
by miltlumi
| 2010-08-07 11:56
| マンモスの干し肉
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