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母の干し肉

 一昨日の母の日、それとは全然関係ないテーマで友人たちと集った。ホールケーキの調達担当者によると、7軒もケーキ屋をハシゴしたという。最近はアントルメは予約オンリーというケーキ屋さんが多い上、いかにも「母の日」っぽい家族連れが、次々と丸いケーキを買い求めていったらしい。
 母の日はカーネーション、がお約束だったが、近頃はケーキまでつくようになったのかしら。ことカレンダー上のイベントに関するかぎり、モノが売れなくなったとか消費抑制とかは、どこ吹く風。

 それを聞いて、慌てて母に携帯メールを出した。今年の「母の日プレゼント」は、GW前の旅行代金の一部(全部、ではないところが、なんだかなあ(笑))だったため、すっかり終わった気になっていたのだが、当日は当日でメールの1本でも出さないと、拗ねてるかも。
 すぐさま来た返事は、幸い楽しそうな文面だった。いつものニコニコ顔の絵文字に加え、( )やアルファベットを駆使したVサインまで入っている。ったく、年甲斐もなく…と思いながらも、ほっとする。
 
 去年の4月に、長年住み慣れた実家から兄の隣家に引っ越した引っ込み思案な母は、容易に予想されたことではあるが、新しい環境になかなか慣れなかった。一応、実家も最低限の生活ができるよう家財道具を残したままなので、実家近くのカルチャーセンターに行くときはあちらで1・2泊する、という2重生活が始まって1年。ようやく引っ越し先の方の絵画教室でも友達ができたとか、近所の人がお茶をしに来た、といった報告が入るようになったのは、ここ数か月のことである。
 旅行中、あんたの趣味はビーズネックレスの他に何?と聞かれ、思わず「アナタとちがって干し肉作りばっかりやってるわけじゃないわよ」と心の中でむっとした自分がおかしかった。母には、余計なことを考えるヒマがないくらいたくさん干し肉作りに勤しんでもらいたい。

 子供の心配をするのが親の務め、みたいな母親だったけれど、ようやく子離れし始めたかなあ、と思う。
ごく小さな頃はともかく、子供が小学校中学年くらいになったら、母は「自分の干し肉作り」のほうに軸足を置いてくれたほうが、子供もラクなんじゃないかな、と思う。
 いつまでたっても「お母さんはアナタのために…」と自己犠牲的愛情を注がれるより、母親が女性として、人間として人生楽しんでいる姿を見るほうが、よほど教育的効果があるのではないか。最近のお受験事情その他に全く疎い、門外漢の直感ではあるが。
 
 自分の人生を楽しむために、見方によっては「自分勝手な母」ととらえられるような選択をした友人がいる。「わがままねぇ」と揶揄しながら、私は心の底から彼女の決断に対して賞賛の意を表した。
 彼女の娘が、母のその決断を将来知ることがあるかどうかわからないけれど、きっと、そうした決断ができる母の姿勢そのものに、プラスの影響を受けるに違いない、と思う。
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by miltlumi | 2012-05-15 20:07 | マンモスの干し肉 | Comments(0)