マンモスの干し肉、もしくはパンパース―その1

 最近、独身女性3人で週末ランチをしていたとき、金融業界でばりばり仕事をしていて3人の中で一番稼いでいるHが、実は一時期「編み物」に凝っていた、という暴露話を始めた。残業で午前様になっても、つい編み針に手が行ってしまって、気づくと朝、一睡もせずにまた職場へ…という生活が続き、こりゃあちょっとヤバい、と自分に戒厳令を敷いて、ぷっつり編み物を止めたという。といいながらその日着ていたセーターも、複数の手法を駆使した模様編みが複雑に絡み合う誠に凝ったデザインで、これを自分で好き好んでやるか、といった超大作だった。
 
 仕事だけでもふつーのOLの200%くらい忙しいのに、なぜそんなに…と、Hを挟んで団栗眼のYと顔を見合わせた私は、しかし、ふと我に返ると、目下天然石ジュエリーのネックレス作りにハマっている自分を思い出した。ビーズのように穴を開けた大小の天然石をワイヤーやテグスに通す、あれ。編み物より無意味なことには、糸を切れば簡単にバラけてしまうから、1度作ったネックレスをバラして他の石と組み合わせて別のデザインのネックレスを作るという、「作るために作る」ことが容易なのだ(編み物ももちろんほどくことはできるが、彼女のように複雑な模様編みだと解くのに時間がかかるし、ほぐした毛糸はインスタントラーメンみたいにフネフネになって一度水に通してくせをとってからでないとリサイクルしにくい)。
 「これって、賽の河原に石を積むようなものよね~」と笑いながらも、笑えない自分の造作にちょっとぞっとしつつ、実はYだってその類の無意味な(?)手遊び仕事が高じて脱サラまでしてしまったことを思い出した。Yにとっての「編み物」はコラージュである。

 さて、この3人の共通点は何か。女性であること。子供がいないこと。そこで私は閃いた。これは「干し肉」作りなのだ。
                                                  ・・・「その2」に続く
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# by miltlumi | 2010-01-20 17:43 | マンモスの干し肉