マンモスの干し肉、もしくはパンパース―その4

「その3」を読む~
 
 ともかく、人間という動物の存在意義を全うするのに、福岡伸一先生の「アリマキ」理論を引くまでもなく、ほんのわずかな役割しかあてがわれていない男性諸氏は、余った時間で「食べ物の調達」に精を出し、自らの存在意義を少しでも高めようとする。
 その際、いつでもどこでもマンモスが狩れるわけではない。仲間の男達とともに何日も狩り場をかけずりまわった挙句、マンモスどころかキツネ一匹見つけることができず、仕方なしにウサギ3匹くらいをちゃちゃっと仕留めてすごすごと洞穴に戻ってくる。そこでは人間として「重要な任務」に就いている妻が大きなお腹を抱えて待っている。「ふうん。ウサギなんだ」 悪阻で気分の悪い妻は、自分の感情も露わに軽蔑した声でつぶやく。その瞬間、オトコは断崖の下に突き落とされる。「オ、オレって、役立たず…?」 
 このあたりから「手段の目的化」が始まる。つまり、本来の目的である「食料の調達」ではなく、調達してきた食料を見て「喜ぶ女の顔を見る」ことが目的となったり、あるいは獲物が大きいときにより嬉しがった女に触発されて「より大きい獲物を狩る」ことに執心したりするようになるのである。かくしてオトコは今日もマンモス目指して必死の形相で狩りに赴く。 (今日の文章は長いから、この続きは左下の「More」をクリックしてくださいませ。そしてさらに「その5」に続きます)

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# by miltlumi | 2010-01-24 11:34 | マンモスの干し肉 | Comments(0)

マンモスの干し肉、もしくはパンパース―その3

「その2」を読む~

 最近遭遇したこれら二つの事例(1月20日の「その1」、1月21日の「その2」)から、3つの理論が帰納できる。
 まずは「マンモス理論」。太古の昔、人間がホモサピエンスになりたてで、まだ洞窟の中に住んでいた頃。XYの遺伝子を持つオトコたちの仕事はマンモス(もしくはそれに準ずる動物)を狩ることだった。人間といいながら、その祖先である猿にまだ限りなく近かったあの頃、人間の「存在意義」、ちょっと大げさに言えば「人生の目的」ははっきりしていた。自分の子孫を残すこと。その場合、生物学的に子供を孕むことのできるオンナは、人生の目的により近しいというか、直接的に達成可能と言える。一方、子孫繁栄の目的のためにオトコが必要とされる時間は、極論すると3秒くらいでも済むわけで、そのオタマジャクシ注入の動作の結果めでたくオンナが懐妊すれば、少なくともその女性との関係においてのみ言えば、彼女が出産をするまでの10カ月間、オトコは何もすることがなくなる。となると、その間彼女をちゃんと生きながらえさせる手段として、食べ物を調達することが、オトコの重要な役割=人生の目的となったのだった。そして、めでたく女性が出産して子育て期間に入っても、この食料の調達というミッションは彼らのために重要な意味を持つものであるため、男性にとっての「人生の目的」は本来の子孫繁栄のための二義的プライオリティーとしてのマンモス狩りに取って代わられたのである。これを称して「マンモス理論」と(私が勝手に)呼んでいる。

 ちなみに、第一夫人の妊娠・子育て期間中にオトコが他の婦女子を見つけてAnother 3 secondsの動作を試みんとすることは、本来の「人生の目的」に照らして極めて自然なことである(何しろ動物としては子供が多いほど存続の確率が高まるのですから)が、それが子孫繁栄という大義名分の根幹を揺るがす、現代における極めて切実な問題である少子化の原因の一つ(離婚のきっかけ、あるいは女性が結婚を思いとどまるきっかけ、等など)になっている、という事実は、誠に皮肉な話ではあるが、この話はちょっと脇に置いておく。
                                           ・・・「その4」に続く
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# by miltlumi | 2010-01-23 14:09 | マンモスの干し肉

マンモスの干し肉、もしくはパンパース―その2

「その1」を読む~

 同じく最近、年下の男友達と食事をする機会があった。「おいしいお店を知ってますから」と言われて日にちを決めた後で、当日の場所の連絡メールに書かれていたのは、私が以前何度か足を運んだことのある鉄板焼きレストランだった。彼はすごおく丁寧に、「西麻布の交差点をすぎて道がYの字に分かれるかと思いますが(左に行くと外苑前のベルコモンズの交差点方面、右に行くと青山一丁目のホンダの本社前方面)、左にいって…」と道順を説明してくれていたが、そもそも何度も行ったことがあるし、西麻布の交差点を左に行くとベルコモンズ、くらいは港区民の常識である。
 まあ私が「地図を読める女」であることを彼が知らなくても仕方ないので、それはさておき、何気なく「たまに行ってたお店で、最近ご無沙汰だから楽しみです」と返事をしたところ、即座に「知ってるところでしたか。別の店に変えなくて大丈夫ですか?」との返事。
 別に、彼に「私が絶対に知らない隠れ家レストラン」を探索せよと指示した憶えもないので、ここでいいです、と返したが、「ではメニューにないものでも食べましょう」…彼はあくまで「私が知らない店(もしくは食べ物)」を提供することに血眼を上げている、としか思えない不思議な反応だった。へんなの、と思いながらも、別に「メニューにあるものでいいです」とひねくれた返事をだす時間も惜しかったのでそのまま流した。
                                             ・・・ 「その3」に続く
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# by miltlumi | 2010-01-21 15:16 | マンモスの干し肉