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手段の目的化

 男性の自慢話をよく耳にする。「XX社とYY社から講演頼まれて忙しくって」「僕の親父は日本で初めてXX事業を立ち上げた草分けで」程度は全然かわいい方である。お祖父さんの代から受け継いだ合気道だか剣道だかが本業で「今の仕事は世をしのぶ仮の姿で… でも会社を黒字にするのも得意ですけど」とか、有名な大企業のサラリーマンが、数年前に社内表彰のなんとか賞をとったので、絶対に「前会長のXXさんは僕のこと憶えてますよ」とか。
 一番のヒットは、初対面の人事コンサル様。還暦に届こうかというキャリアカウンセラーなので、相手の能力を引き出す「聴く&訊く力」にさぞかし長けておられると期待したが、3時間のディナー中、終始一貫自分の経歴自慢に徹し、最後に「これが僕という者ですっ!」…すごくよくわかりました。でも、あなた、私のことわかってくれた?
 中途採用の面接試験なら精一杯キャリア自慢してくれていいけど、ただご飯食べながら会話を楽しみたいだけだから。話を聞かないのは男性の性と諦めるとしても、「すごいですね~」としか相槌のうちようがない話ばかり延々されても…

 一体どういう現象なんだろうと、公私とも経験豊富な年配の男性に聞いてみた。速攻の回答は
「そんなの、求愛行動に決まってるじゃないか
 世界都市東京に生きるオトコたちは、アマゾンの奥地に住むナントカ族のような伝統的求愛踊りは忘却の彼方。もちろん孔雀のようにメスを惹きつける美しい尾羽を持つわけでも、猿山のようにソサエティー全体に周知徹底された序列が決まっているわけでもない。オトコとしての価値・魅力を、公序良俗に反しない形で顕示せねばならない。そう言われてみると、キャリアカウンセラー氏とのディナーはちょっとお見合いセッティングだったかも。

 でも、少なくとも経験の半分以上は、私が光栄にも「女性」と扱われているとは到底思えない、単なる仕事関係の殿方。その証拠に、その後さらに進んだ「求愛行動」は一切ない。よく観察していると、私以外の女性どころか男性に対しても似たような話を開陳している。
 ということはつまり「求愛行動」という手段が目的になってしまったのではないか。特にマンモス度の高い男は、女をGETするために自慢話しているうちに、そのあとに展開されるであろう至福の時に想いを馳せて「パブロフの犬」状態に。もう自慢話するだけでエンドルフィンがぶわぶわ出て気持ちよくなっちゃう。
 獲物もいないのにがんがん自慢しちゃう人達は、明らかに仕事のほうもマンモス系である。そして大概マンモス肉=食事代くらい出してくれる。

 女性陣は「恋愛対象じゃない人にご馳走してもらうのは…」なんて遠慮する必要はない。エンドルフィン出させてあげただけで、彼らは満足なのである。

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by miltlumi | 2010-02-16 21:34 | マンモス系の生態 | Comments(3)
Commented at 2010-02-17 12:38 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by さそりいのしし at 2010-02-17 16:34 x
「求愛行動」の場合もあるかもしれませんが、自慢話や他人をけなしたりすることが多い人は、結局自分に自信がない(insecure)のだと思います。
Commented by miltlumi at 2010-02-17 18:35
さそりいのししさん、コメントありがとうございます。
さすが! 実は次のステップとして、よりHigh-endなマンモスさん(わざわざ自慢話なんてしない)のことも書こうと思ってたんです。そのとき、改めてよろしくお願いしいます!
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