宗像大社の一括世界遺産登録が決まった。よかったよかった。 というか、そもそも沖ノ島とその周辺だけが「世界遺産」だなんて、仮とは言え、世界遺産委員会が下した判断がオカシすぎた。片手落ち以外の何物でもない。あのニュースが流れたとき、何考えとんねん、と珍しくTVに突っ込みを入れたほどだった。 神社フェチな私は、もちろん彼の地を訪れたことがある。まず大島に船で渡り、あの小さな島をてくてく横切って遥拝所まで歩き、はるかかなたの沖ノ島を拝んだあと、またてくてく歩いて船に乗って、最後に陸地側の辺津宮に詣でた。 地図で見るとよくわかるが、辺津宮から大島の中津宮と遥拝所、そして沖ノ島は、まぁーっすぐ北西方向に一直線に並んでいるのだ。 そのラインをさらに北西に延ばせば、対馬、そして釜山に続く。古代、追い付け追い越せの「世界」が中国大陸とその玄関口である朝鮮半島だった頃の日本にとって、このラインは大きな意味があったのだと思う。 今でも沖ノ島は女人禁制だし、大島の遥拝所でさえ陸からはけっこう遠い。私を含むこちら側の平民たちは、日常の中では辺津宮から神様を拝むしかない。拝む側と拝まれる側、両方あって初めて成り立つものだろう。 …という宗像大社の話は、実はただの前置き(笑)。お話したいのは、「遥拝」のこと。これ、最近のマイブームなのだ。拝む相手は、神様ではなくて、私の友達。 例えば先日、AさんとBさんと私が集まった。1年前までお互い見ず知らずの他人だったのだが、顔の広いCさんが企画したパーティでたまたま集まり、なんのかんのとするうちに仲良くなった。このトシになって、仕事も趣味もカンケーない知り合いが出来るのは結構レア。ましてや、「仲の良い友達」と言える関係になれるのは、僥倖と呼んでもいい。 そのとき集まったのも、前もって約束していたわけではない。私がAさんを勉強会に誘って二人で参加し、帰りがけAさんが「そういえば、これからBさんと会うんだけど、顔出す?」「え~、そうなんだ、行く行く!」。待ち合わせのエクセルシオールにAさんと一緒にいる私を見て、Bさんは「きゃー、ここで会えるなんて」ってな軽いノリ。 ひとしきりおしゃべりしながら、3人改めて振り返る。 「こうやって私たちがここにいるのも、Cさんのおかげだね~」 いやはや、誠に有難い、というわけで、僭越ながら私が号令をかけ、3人揃って(どこにいるかわからない)Cさんに向かって「遥拝」したのである。 私にとっての「Cさん」的存在は、他にも何人もおわします。今、私がこのようにここに在るのは彼女(彼)のおかげ、と思うとき、でたらめな方向に手を合わせて、どこで何をしているかわからないその人に、「遥拝」をする。 遥拝する先があるのは、佳きことである。そう思うだけで、トランキライザーになる。神様がそこらじゅうにおわします国に生まれて、よかったと思う。
by miltlumi
| 2017-07-09 21:00
| 私は私・徒然なるまま
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