元旦が日曜日だったせいで、仕事始めと思ったらすぐ成人の日の3連休。昨日からようやく、街も人も通常のペースに戻った感じがする。毎朝同じ時間に同じ場所に通勤する習慣のない私も、仕事外出のためにきちんと身繕いする作業が再開した。 出掛けない日はノーメイクの顔を鏡に映して、しげしげと覗き込む。一昨年は、新たなしみやしわを見つけるたび「げげっ」と驚いていたのが、昨年からタメ息に変わり、年末には静かな諦めが浮かぶようになっていた。確実に歳はとっていく。 とはいえ、1月初めはその諦念がちょっと揺らぐ。なぜかといえば、年末に観たTVのせいなのだ。 子供の頃から全然TVっ子でなく、今でも夜7時のNHKニュース(すみません、飲み会がない限りこの時間うちにいるんです)、週末はそれに続き「ブラタモリ」、「ダーウィンが来た」から大河ドラマの梯子、くらいがせいぜいである。 それが、年末年始だけは一変。帰省先の母と兄一家の家では、朝から晩まで50インチの大画面いっぱいに、騒がしい色と音とともに、妙に眉の整った男の子たちや個性があるんだかないんだかわからない女の子集団が飛んだり跳ねたりしている。 「神ってる」というコトバがそこらじゅうで連発されるのも、ピコ太郎のCM露出度がこんなに高いのも、12月30日に初めて目の当たりにした。 大晦日の夜は、傘寿を越えた母のために紅白歌合戦と決まっている。それでも彼女は小林明子と美川憲一がいないのが不服そうだ。 紅白どちらの歌もイントロとともに口ずさみ始める甥っ子の横で、私は「ダーウィンが来た」の珍獣を見るのと同じ視線を投げる。ときたま登場する馴染みの顔にも、「TOKIOもおっさんになったなぁ~」といった感想ばかり。 とそのとき。出た。松田聖子。 いつものように(って、年1回、紅白のときしか知らないけど)、こめかみの皮膚を思いっきり引っ張り上げるアップのヘアスタイルで、ぴんぴんの肌。まっ白なデコルテ。 決して誰も、全然まったく気にもしてないとは思うけれど、何を隠そう、松田聖子は私と同い年なのだ。正確には、彼女のほうが1ヶ月年上である。 それなのに、なんだこの肌は。キレイ過ぎるじゃないか。 相手は押しも押されぬ歌手、女優。美肌のためなら世界中どこへでも行く(細胞が生まれ変わる28日周期を早めるためのピーリングを、彼女がLAかどっかでやってると聞いたことがある)財力と根性。同い年というだけで、美しくあることが仕事である彼女と、自分を比べるほうが間違っている。 それでもやっぱり、気になる。「聖子ちゃんカット」が一世を風靡した頃から、クラスメートとともに同い年の対抗意識を燃やした仲(?)である。結婚も出産も離婚も再婚も、とても他人とは思えなかった。その彼女の、経年変化、のなさ。 画面に近寄って、まじまじと見つめてしまった。 所属事務所からの厳命なのか、NHKカメラマンの気配り精神なのか、顔を大写しにしたアングルが2秒以上続くことはなかった…ような気がする。 というわけで、仕事始めの外出にあたり、経年変化と諦念について、さまざまな思いが胸を去来したのであった。
by miltlumi
| 2017-01-11 15:40
| 機嫌よく一人暮らし
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