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腸閉塞の予防について

 退院から1ヶ月余り。会う人ごとに、病後の肥立ちを心配してくださり、ありがたいことである(皆様、本当にありがとうございます)。医師からようやく「何でも食べていい」といわれ、日常に戻りつつある。

 会う人がもう一つ訊いてくるのは、前兆はなかったのかということ。ポール・マッカートニーが同じ病気でコンサートをどたキャンし、10億円超の被害が出たことからも、何の予兆もなくいきなり来るものか?という疑問はちょっと前の国民的関心事(?)だった。
 「いきなりだったのよ~」と答えながらも、そういえばここ1・2年お通じが滞ることがあった、と付け加える。生まれてこのかたその手の悩みとは無縁だったのが、「あれ?」というようになって、青汁やらシリアルやらダイエット茶やらを常用するようになっていた。それらを飲用すれば問題なかったから、深刻にとらえていなかったのだ。

 でも、さっき何気なくダイアリーを見返していて、びっくりした。2月初旬、夜中に吐き気を催して2回もトイレに駆け込んだという記録を見つけたのである。今日の今日までころっと忘れていたが、入院する明け方と似た症状だった。
 そういえば、1月末に行ったバリ島でもおなかが滞り、異国の地で緊張しているせいかと思っていた。3月下旬に実家に帰ったときも調子が悪く、旅行どころか実の母の家でも緊張するのか、とブログのネタ帳に記してさえいた。それもこれもすべて前兆だったのだ。
 やっぱり、身体は正直である。フェイントをかけてくるなんて意地悪はしない。ちゃんとキューを出してくれていたのだ。そして私もそれを自覚的に受け取っていた。

 でもでも、まさかそれが「腸閉塞」の前兆だったなんて、そんな病名、夢にも思い浮かばないよ~っ、と叫びたい。
 そもそもの原因は10年前の子宮筋腫の手術でしょう、と言われたが、当時「この手術受けたら腸閉塞になるかもね」なんて説明を受けた記憶もない(だからその後厚労省の指導が入って、今般の手術前のような懇切丁寧な説明がなされるようになったのだろう)。

 でもでもでも。もし仮に、10年前に腸閉塞の危険性を予言され、数か月前から身体が発していた黄信号を正しくキャッチして「これは腸閉塞の前兆だ」と認識していたとして、私に何ができたというのだろう。だって、腸がねじ曲がって「索状物」とやらが巻き付いて縛り上げてたんですよ。お腹の闇の中で。どんなに器用な人だって、自分の中でねじれた腸をまっすぐにするなんて至難の業だし、魔法でも使わない限り索状物の結び目をほどくことは不可能だ。
 腸閉塞を防ぐには、バカ食いをしない、植物繊維の豊富なごぼうや白滝はあまり食べない、と言うが、根本的な解決策ではない。
 病院に行ったとしても、まだ本格的な腹痛さえないときに「腸閉塞なんじゃないかと思います」と言っても相手にしてもらえないだろう(あんな激痛に苦しんでいる最中でさえ、原因究明中と称して数時間以上放置されたのだから)。

 ここまで考えると、やはりあの入院騒ぎは起こるべくして起こった、と思わざるを得ない。気をつけていてもいなくても罹るものは罹る、そういう運命だったのだ(と開き直る)。

 というわけで、気休めですが、腸閉塞の予防の仕方を。
 おなかの手術をしたことのある人で、日頃順調だったお通じが滞る、食後に吐き気がする、という人は、とりあえず1度に食べる量を減らし、食物繊維を多量に含む野菜やすじ肉など消化しにくいものを避け、どんな食べ物も最低20回は噛んで、万が一に備えてスタンバイしてください。
 急に腹痛に見舞われ、それが激しく波状に繰り返されるときは速やかに救急車を呼んで、「腸閉塞かもしれないのですぐにレントゲンとCTスキャンをしてよおおおーく調べてください」と言いましょう。
 あとは、担当医師がイレウス経験豊富であることを祈るのみです。
by miltlumi | 2014-06-11 21:08 | イレウス奮闘記 | Comments(0)
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