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女らしいひと

 女らしい女性、という人種にたまに出会う。ひえー、オンナらしいなー、たまんねーなー、逆立ちしたってマネできねーなー、と半ばヤケになって思う。
  
 極私的「女らしさ」の定義その1。彼氏、もしくは夫のことを「キライ」と言う。
  「もう、大ッキライなんだけど」
  「全然、まあーったく好みじゃなくて」
  「そばにも寄ってきてほしくない」
 そんなんだったらどうしてコドモがいるのよ、と突っ込みたくなるが、女らしい方々はそれでもそういうことができるらしいのだ。
 私だったら、大ッキライな人とケッコンなんてゼッタイしないし、顔が好みじゃない人と一緒にいても気持ちよくない。好きな人のことは、思いっきりノロケちゃいたい。

 定義その2。彼氏、もしくは夫から高額なプレゼントをもらうことを厭わない。というよりむしろ、自分から要求して憚らない。
  「○○、買って」
  「え、どうして?」
  「欲しいから」
 しかも買ってもらったものを女友達に披露するとき、ひとつも嬉しそうな顔をせず、「当然よね」と言う。誕生日でもないのに、たまたま店先で見た○○が欲しくなったからって、理由もなくおねだりするなんていかがなものか。あるいは、たとえクリスマスだったとしても、うん十万円の○○を買ってもらって「当然」顔するなんてどういう神経してるんだか。

 しかし、(私にとっては)理解不能な行動は、おそらく男性たちには「効く」のである。何しろ彼らは逃げるモノならマンモスでもウサギでも追いかけて仕留めたがる狩人なのだ。物理的にとっとと走って逃げなくても、コトバでキライとか寄らないでとか言われたら、相手に何万光年も向こうに逃げれたような気になって、慌てて追いかける。
 そして、分不相応なモノをねだられると、「もっとでっかいマンモスを倒さなきゃ」と大いにモチベーションをアップさせてしまうのだ。よっぽどのケチじゃない限り、女性におねだりされて断るオトコはいない、と思う、多分。私はねだったことないから知らないけど。

 一方、男らしい男性、というのは、十中八九ほとんどが恐妻家である。コワイコワイと言いながら、彼らはいつもものすごく嬉しそうにしている。
 年収が9ケタの男性が言う。「うちの女房は恐くてさあ、もっと稼いできなさいよ、と言うんだよ」 …。使いきれないほど稼いで来られても、困るだけじゃん。欲しければ自分で稼ぎなさいよ。
 別の男性は、シンデレラよろしく日付が変わる前にとっとと帰っていく。「今度門限破ったら離婚だって言われてるからさ」 …。門限って、女子高生じゃあるまいし。オトコにはオトコの付き合いってモノがあるだろうに。たまにはハネ伸ばしたいだろうに。
 彼らの「愚痴」を聞くとき、常に私は彼らの側に立っている自分に気づく。 

 ダンナがティファニーを買ってきたら「そんな無駄使いしないでよ」と言い、私の貯金でせっせと住宅ローンの繰り上げ返済をし、門限どころか午前様で帰ってきてもお茶漬けの用意をしていた私は、良妻であった。かくして、逆三行半(笑)。
 女らしくない私の、必然的帰結であった、と最近しみじみと思う。
by miltlumi | 2013-12-29 11:38 | マンモス系の生態 | Comments(0)
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