(1)はこちら・・・
(2)はこちら・・・ まあ、私がこんな戯言をほざいていられるのも、生き馬の目を抜くビジネスの最前線で丁々発止闘っているわけではない、おキラクな身分だからなのだ。リニア新幹線の最重要顧客ターゲットは、やはりビジネスマンにちがいない。 一刻を争って現場に駆けつけて、事故が起こった工場復旧の采配を振るったり、烈火のごとく怒っているクライアントに頭を下げたり、一日のうちに東名阪3ヶ所の営業所長会議でスピーチをしたり、そういう要職に就いている人。自社でヘリコプターを飛ばせるほどの大企業ではないけれど、時間の制約だけは大企業の社長並みに大きいエグゼクティブ。 それなら思い切って、車両の過半数はビジネスクラスみたいにして、在来新幹線よりプラス700円なんてみみっちい値付けをしないで、どーんとグリーン料金をぶんだくってやればいいのではないか。どうせ会社の経費だし。そのほうがよほど経済効果が高いと思うのだが。 経済効果といえば、新駅建設が予定されている地域では、「ご当地駅弁」の企画をこれから練ります、と報道されていた。ああいうことがリニア新幹線による地域活性化の目玉だと、NHKは本気で思ってわざわざニュースに取り上げているのだろうか。 そもそも駅弁といったって、乗車時間が40分しかないのに(各駅停車のリニアは70分か)、食べるヒマがないではないか。40分だと、私はTallサイズのスターバックスラテでさえ飲み切ることができない。 森瑶子のエッセイに、こんなことが書いてある。京都に向かう新幹線に乗ったとたんにガサガサと駅弁の包みを開ける中年女性のグループの発想が理解できない、と。2時間もすれば瀟洒で繊細な京料理が食べられるというのに、何が悲しくて、ガタガタ揺れる狭い車内で防腐剤がたっぷり入った冷めた駅弁をつつかないといけないのか。 その通りだと思う。時間に追われる日帰り出張ならまだしも、花も団子も堪能しようという観光旅行なのだ。「列車の中で駅弁」というのは、電車といえば窓が開くのが当然だった昭和の時代の古き良き今は亡きイリュージョンなのだ。 ホームには何人もの駅弁売りのおじさんがいて、列車が着くたびに「べーんと、べんとー」と独特の節回しで歩き回る。首にかけたたすきと下っ腹で支えている、新聞紙を広げたくらいの大きさの長方形の駅弁キャリーボックス(当時はそんな呼び方はなかった)には、幕の内弁当一種類と緑茶しか入っていない。 その緑茶というのは、もちろん急須をかたどった不透明な白いプラスチックに入ったやつで、急須のフタの部分に申し訳程度のミミがついていて、そのミミを持ち手にしてフタにお茶を注いでつうぅっと飲むのだ。 某地方都市がローカル食材を活用した滋味あふれる駅弁を企画するのは誠に結構なことだが(防腐剤入れないでね)、ただでさえ乗車時間が短いリニア新幹線の中で、慌ただしく駅弁を広げようと思う旅行客がどれほどいるのだろう。まあ窓の外を見てもほとんどトンネルらしいから、食べることに集中できるのかもしれないけれど。 ・・・(4)に続く
by miltlumi
| 2013-09-22 23:01
| マンモス系の生態
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