自転車を新調した。これまで愛用していたのは、12年前にケイヨーD2で購入した押しも押されぬママチャリ。最初の4年間は毎日通勤で、最後の4年間は脱サラ後の種々雑多な仕事の打ち合わせや買い物や友人とのランチ・ディナーのために、城南地区を大いに走り回っていたが、ついにガタがきた。ブレーキがきぃきぃするなあ、と思っていたら、だんだん利きが悪くなって、しまいにはカラオケをしすぎたオットセイの雄叫びみたいな、ぐぅあ”ぉ~、という音が出るまで強く握らないと止まらなくなった。
ケイヨーD2に持って行ったら、愛想のいいサービスカウンターの女性が申し訳なさそうな顔をした 「自転車は10年以上前の開店当初に扱っていただけなんですけど…」 まさかアナタ10年以上も同じ自転車乗ってたんですか?という驚きを言外に含んでいる。ちょっと恥ずかしい。一応サービス担当が見てみましょう、と呼び出したのは、「この腕一本で何でも直してみせまっせ」という闘志を瞳にみなぎらせたいかにも職人気質のおじさんだった。あの、修理代は…と気にする私に、 「もうサービス対象でもないものですから、お代はいただきません(きっぱり)」 15分後、ブレーキの利きは強くしておきましたが、もう部品の寿命ですね、と診断を下される。乗ってみると、強く握らなくてもオットセイの雄叫びをあげるようになっていた。 その足で、自転車専門店に行く。ママチャリよりスタイリッシュな、でもちゃんと前にカゴがつけられてスカートでも跨げる自転車のカラーバリエーションがずらりとそろっている。12年前のママチャリの2倍の値段だが、通勤時代に私の愛車を目撃した後輩たちが、もう少しおしゃれな自転車に乗ってくださいよ~、と口を揃えていたことを思い出し、遅まきながらその気になってくる。 あまり笑わないけど感じは悪くない、するりとした肌の20代とおぼしき若い店長が、淡々と営業トークを展開する。 「うちでご購入いただければサービス・メンテはずっと無料です」 D2のママチャリでさえ、何度かこのお店で空気を入れてもらったりブレーキを強くしてもらったりしたから、その実績は理解している。 「そうすれば、10年は持ちますよ」 「でもこのママチャリは12年乗ったんです」 「えっ、じゃあこちらはもっと長く…もごもご」 15年持ちますか? とりあえず店先に現物を置いていないカラーも含めて全色を紙に書いてもらう。 翌日。再びお店に行くと、昨日はなかった水色が入っている。私の普段のお気に入りカラーのオレンジより、俄然輝いてみえる。こういうのは直感で決めるに限る、というわけで即決。 3速切り替えのニューモデルは、慣れていないせいか2速でもちょっと重い。15年後、3台目に替えるときは、電動自転車かなあ、と思う。どうか車椅子に乗るはめに陥っていませんように!?
by miltlumi
| 2013-04-30 14:10
| 機嫌よく一人暮らし
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