週末のランチタイム、親しい女友達を招いてのホームパーティでおしゃべりに興ずるのは、何よりの楽しみである。いつもは伸縮型のダイニングテーブルを大きくして掛けられる最大定員6名で開催するが、先日はたまたまこじんまりと3人だった。
3人、というのはとてもいい数字である。2人だと話のネタが尽きて場が持たなくなることがあるし、4人だと2対2の対抗モードが強められたりする。その点3人だと、誰か一人がお休みしてても残りの2人が勝手にしゃべってくれるし、意見が割れても2対1なら圧倒的多数にうっちゃられる感もない。 先日のメンバーは、幸い誰かが疲れるとか話題が途切れるとかいう心配は皆無だった。女性同士のおしゃべりの常で、話はびゅんびゅんかっ飛ぶ中、テーブルの上に投げ出された言説について、Yes、Noが分かれる。例えば、 「甘いものが好き」なんていうカワイイものから始まり、 「これまでつきあった男性のほとんどはサラリーマンではない」 「目の前の仕事はつい反射的に一生懸命やってしまう」 「アドレナリンはできるだけ出したくない」といった公私・仕事恋愛マターから、 「自由を得るためにはある程度収入を犠牲にしてもいい」 「自殺を考えたことがある」などという真面目なお話まで。 そして発見したのは、これらのYes/Noが、3人ばらんばらんだということ。設問1にはAさんだけがNo、設問2はBさん…といった具合。その都度「きゃあ」と笑いながら少数派だった一人の前に手で線を引く。 3人全員の共通点は多々あるのに、どうしてこうなるのかしらね~。チャートにまとめてみたら面白いんじゃない? それにしても、と一人が言い出す。これだけ盛り上がれるのは、3人それぞれ自己分析がちゃんとできてるからよね。おおお、その通り。きっかけこそ違うものの、皆これまでの人生のどこかで深く自分を見つめたことがあり、それが習慣になっている。「こいつ、自分のことわかってないなあ」という(普通はよくある)評価は出てこない。 そして何より、お互いの価値観の違いを楽しもう、という大人の対応。「おんなじように感じてくれなきゃイヤ」なんて子供じみた要求も、「私にはわからないわ」という投げやりな拒絶も、ない。 違いは、あって当然。自分の価値観を他人に押し付けるのはもちろんご法度だし、相手の価値観を認めようとしない態度は、友情を急速冷却させる。このあたり、意外に難しい。難しいから、本音までさらさずに表面的なおしゃべりだけでお茶を濁すことも多い。 だから、何の遠慮もなくしゃべりちらして、お互いの共通点も相違点も楽しんで、最後は人生の悩み事相談ができる友達がいることは、本当にありがたいと思う。 そうしいるうち、パーティが始まった正午から7時間近くが過ぎていた。じゃあまたね、と2人を見送って戻ると、窓の外はまだ薄明るい。夏至のあと初めての週末だった。
by miltlumi
| 2012-06-28 20:09
| 機嫌よく一人暮らし
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