ネイルサロンでいつも指名する女性は、私より10歳以上若い。お互いの私生活をかなり明細にバクロしあっている仲である。
いつもはお客様である私の話題が多いが、先日は彼女から語り出した。 「新婚旅行どうしようか、そろそろ真剣に考えてるんです」 彼女は、3年一緒に暮らした彼とこの夏めでたく結婚式を挙げたが、新婚旅行はまだ。なのに彼をさしおいて、先月フラダンス友達とハワイ旅行してしまった。さすがに新婚旅行は来年の春くらいにはいかないとまずい。 「モロッコとかどうかと思うんですけど」 「わあ、いいじゃない。あそこってフランス圏だっけ。フレンチ美味しいかな」 お気楽に相槌をうつ私に、今一つ浮かぬ顔。ああいう国では、素朴なバザールで日本には珍しい(かつびっくりするほど安い)雑貨をあれこれ物色するのが一番の楽しみなのだけれど、それだと旦那様より女友達と行ったほうが楽しいんじゃないか、と彼女は思っていたのだ。 うっ。的を射た悩み。彼女より人生経験の長い私でさえ、パートナーより買い物好きな男性なんて、一人しか知らない。怪しげな市場で、カタコト英語で「1枚$10を$8にしとくよ!」「高い!$5」「無理2枚で$15は?」「3枚買うから$18にして」などと、たかがショールに30分もかけるなんて、普通の男性の理解を超えている。「好きなだけ時間かけていいよ」なんて甘い言葉を信じた暁には、苦虫を噛み潰した彼に出会えること畢竟。 「モロッコ以外だと、彼はどこに行きたがってるの?」 「スペインとか、南フランスとか…」 「ああ、それなら新婚旅行としては無難でいいじゃない」 「だから、モロッコは友達と行って、新婚旅行はそっちにしたいんだけど…」 年2回の海外旅行、ちょっと贅沢だけど、たまには。と思いきや、さらなる彼女の悩みは、早く子供が欲しいので、旅行はその前にしたい。夏は仕事が忙しいので休めない。となると、来年前半に2回も休暇を申請することになる。この前10日休んだばかりなのに、また…と上司に睨まれるのではないか。しかもその上司は、50代女性。独身。ううう。 「どうしたらいいと思います?」 いつになく真剣に私の意見を求める彼女。私は断固として言い放った。 「年明け、お屠蘇気分のときに『今年は私にとって一生に一度の大切な年なんですっ』って正直に2回休暇をお願いしたら?子供できたら当分海外旅行なんて行けないし、行けても子連れ。今しかないよ。一生に一度って、ほんとだもん。嫌味の一つくらい言われても、クビにはならないでしょ。だめと言われたら諦めればいいだけ」 海外旅行なんていつでも行ける、と思ったら大間違い。その体力で、その感性を持って異国に触れられるのは、その時しかない。子供だって、欲しくたってすぐできるものじゃないんだから、1日も早く行動(?)に移さないと。50過ぎのミスのヒスを気にする余裕はない。 やりたいことは、やりたいときに、やる。彼女は大いに勇気づけられたみたいだ。クビになったら、専属ネイリストになってもらうから。
by miltlumi
| 2011-12-10 09:01
| マンモスの干し肉
|
Comments(0)
|
カテゴリ
マンモスの干し肉 マンモス系の生態 私は私・徒然なるまま 機嫌よく一人暮らし アインシュタインの言葉 忘れられない言葉 サラリーマンの生活 慣れてない男たち フォトアルバム 父の記憶 Vacation in Hawaii ! Vacation in Bali 初秋のヨーロッパ Vacation in Hanoi Seoul Trip Ubud in 2013 Ubud in 2014 イレウス奮闘記 NY after 8 years リーダーシップ論 みるとるみ版・映画評 セドナの奇跡 スリランカ♡アーユルヴェーダ三昧2018 バルセロナの1月 メキシコ・女一人旅! 以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 01月 more... メモ帳
最新のトラックバック
検索
タグ
男と女
思い出
言葉
しあわせ
干し肉
ウブド
モチベーション
一人暮らし
バリ
マンモス
腸閉塞
イレウス管
体験記
コロナ陽性
アーユルヴェーダ
村上春樹
断捨離
アインシュタイン
うちさぽ東京
エネルギーレベル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||