「男の嫉妬」エントリーの最後に「気絶」と書いたとき、ふと「アッティラの憤死」という言葉が脳裏をよぎった。「気絶」と「憤死」がつながったのだろう。
久しぶりに世界史の参考書を引っ張り出して調べたら、アッティラは単なるフン族(フン死、じゃなかった)の王。自分の結婚式で鼻血を出し過ぎて死んだらしい。 憤死したのは「カノッサの屈辱」のローマ教皇グレゴリウス7世。彼は、カノッサで一旦は神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世をひざまづかせたが、結局皇帝に追い詰められてサレルモで憤死した。 …と、別にここで世界史の復習をしたいわけではない。解明したいのは、死ぬまで憤っちゃう男性のメカニズム。そもそも女性の憤死なんて聞いたことがない。憤死というのは、つまりアドレナリン出し過ぎて交感神経が異常に高ぶって心臓がばくばくして血圧が上がって、今風にいえば「ぷっつん」して死んじゃう、ということ。 過ぎたるは及ばざるがごとし。アドレナリン出し過ぎなんて、全然エコじゃない。平和と安寧を愛する私やまわりの女友達は、日頃どうやったらアドレナリンを出さずに済むかを考え、ひたすら穏やかな時間を過ごそうとしている。なのに、多くの男性はアドレナリンをめいっぱい出すことに快感を感じている(ように見える)。 男性はおしなべて競争意識が強い。というか、それが彼らの行動全般のモチベーションとなっていると言っても過言ではない。カノッサの屈辱だって、複雑な政治的・宗教的背景をすっ飛ばせば、結局は皇帝と教皇のどっちがエライか、という競争のなれの果てだ。 彼らにとっては、競争そのもの=アドレナリン出すこと、が目的化している。このブログで繰り返しているように、大多数の男はマンモスを見ると狩りたくなり、それを横取りしようとする男をてってー的にやっつける。そのうちマンモスがいなくたって競争のための競争を始める。アドレナリン放出が快楽になる。憤死まで行かなくとも、あんなもんたくさん出してたら身体にいいわけない。 でも生物学的に考えれば、男は子孫繁栄の中で一瞬の役割しか果たさないのだから、カマキリやアリマキのように、とっとと死んでしまう運命なのだ。ところが人間の男性は妙な進化を遂げちゃって、そんな単純な死に方をDNAから外してしまった。だからその代わり、アドレナリンに対する感応度が(女性よりも)高く設定され、間接的自殺傾向がビルトインされた。自殺・過労死・憤死、みんな男の特権。 近頃の若者の草食化現象は、つまりアドレナリン出したくない男の増加。これは、(男の中にようやく芽生えた?)長生きしたいという動物的本能を満たす一方で、それでなくとも増えすぎちゃった地球上の人口を調整するために男を中性化するという、偉大なる神様の見えざる手なのではないか。
by miltlumi
| 2010-10-03 11:30
| マンモス系の生態
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