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死ぬまでにしたい3つのこと

 好きな言葉のひとつに、イングリッド・バーグマンの「私が後悔しているのは、したことではなく、しなかったことに対してである」というのがある。私も、結婚したことも離婚したことも、あの会社に入ったこともあの会社に転職したことも、後悔はしていない。一方で、あのときあれをやっておけばよかった、という後悔は、確かにいくつもある。

 ひとつは、大学時代にマックもしくはアンナミラーズでバイトをしなかったこと。家庭教師の時給に惑わされて、「学生の本分」である体育会的労働に従事しなかったのは、大いなる人生の機会喪失である。赤の他人の前で「いらっしゃいませ~」と叫ぶなんて(そしてアンナミラーズの場合、超ミニスカというおまけまで受け取るなんて)、恥も外聞もかなぐり捨てた挙動を敢行しなかったせいか、私は未だに「営業」という仕事が苦手だ。
 ああした洗礼は絶対に、恐いもの知らず・恥知らずのティーンエイジャーのときに受けておくべきなのだ。この歳になると、常識とか面子が邪魔して絶対にできない。スタバで「モカフラペチ~ノ~~」と輪唱する若者達を、つい羨望の眼差しで見つめてしまう。

 ふたつめは「お見合い」。1・2回、釣り書きを見た憶えはある。でも、紺とか白とか清楚なワンピースを着て、ホテルのロビーで待ち合わせて、食べたいケーキも選ばずに「レモンティーお願いします」とできるだけ小さい声でささやいたりした経験が、一度もない。友達は、お見合いにおろしたてのスエードのパンプスを履いていったおかげで、ニューオータニから渋谷まで延々歩かされて血豆を作った、という。
 お見合いの靴は履きなれたものを。今更そんなルールを学んで何になろう。今や私は「ある日突然タイプ」であることが判明しているのだ。最初っから「それ」を目的に値踏みする面談に臨むなんてアラレもないことができるわけない。へたに自分を知りすぎていない時に、勢いでやっちゃうものなのだ、お見合いなんて。

 そして3つめ。高速道路のインター近くによくあるホテルの類に、行ったことがない。小説によれば、天井が鏡張りだったり、部屋の真ん中にお風呂があったり、通常動くはずのない家具がくるくる回ったり、すごく面白そうではないか。アトラクションの数こそ少ないものの、列に並んで待つ必要のないミニパーク。
 この前、男女5人で飲んだとき、私と同様の後悔を抱いている友達1名と、「死ぬ前に一度は行きたい!!」と大いに盛り上がった。この際だから皆で行こう! 2人ずつ入ってから一部屋に集合すれば? 女同士で入ると断られるかしら。

 はて。そうやって考えてみると、ひとつめもふたつめも、遅きに失した観があるとはいえ、不可能ではないのではないか。Never too late。命短し、恋せよ乙女。残された時間、まだやってないことをやる。死ぬ間際に後悔しないように。
by miltlumi | 2010-06-06 12:22 | 私は私・徒然なるまま | Comments(0)
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