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狩り場への参戦

 男性は女性に「いい人ね」と言われるのが一番ショックだ、というのを聞いたことがある(「人間としてのつきあい」エントリーに書いた、3回目にプレゼントくれたSさん。ごめんなさい)。
 では女性が男性に言われて一番ぐさりと来る言葉は何か。色々な立場の女性がいるから一概には言えないけれど、私の周りにいる「働く女性」が言っていた。「最大に傷つく言葉は、『君は一人で生きていけるだろう』」。

 いつもの話だが、男性が、女性と原始的に番うにあたっての基本的な武器は「食物を調達してくること」。その中身が、太古はマンモス肉だったのが20世紀半ば過ぎから給料袋に変わった。そして1985年の男女雇用機会均等法施行後、自分で給料袋を持ってこられる女性は、ある意味男性の脅威(?)になってしまった。
 女性は、別にオトコの敵になりたくて(あるいはオトコの原始的役割を横取りしたくて)働いているわけではない。アナタたちが合意してくださった男女平等の精神に則って大学進学率向上に貢献してガクモンを修め、アナタたちが築き上げた資本主義原理に基づいて製造された三種の神器によって家事負担を軽減していただき、あるいは同じく製造されたブランド品によって消費意欲を活性化していただいたおかげで、おかげさまで働くことのできる環境が整ってしまっただけなのだ。
 しかも、働いてみると結構面白い(マンモス狩りそのものに目覚めてしまう女性もいれば、仕事の中に干し肉系楽しみを見出す女性もいて、仕事に対する考え方は男性に比べてバラエティーに富んでいる)。同時に、図らずもオトコ達のマンモス狩り、もとい職場で働く現場を目の当たりにして、彼らの狩りのスキルの優劣はもちろん、人間としてのBehaviorまで観察する機会が増えると、どうしたって伴侶を選ぶ判断基準はレベルアップせざるを得ない。段々見る目が肥えて、段々選択肢が狭まって、結果的に踏み切りづらくなる。同じような境遇の女友達と海外旅行に行って買い物三昧して憂さを晴らしてみたりする。

 こうした一連の活動は、あえてそうしたくてしているというよりは、その都度与えられた環境に素直に従ってきた結果なのである。自ら積極的に結婚を拒絶しているわけでは毛頭ない。好き好んで一人で生きてるわけではない。頼りたくても頼れる人がいないから、頑張っているだけなんですけど。それなのに男性は、本能的にこのような女性を脅威に思う心の裏返しなのか、あるいは単細胞にも心の底からそう誤解しているのか、心ない言葉を投げつけるのだ。
「君は一人で生きていけるだろう」と。
by miltlumi | 2010-04-24 10:47 | マンモス系の生態 | Comments(1)
Commented at 2010-04-24 22:58 x
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